2010年6月8日火曜日

ヒップホップ、例えばSwizz Beatzについて

僕は昭和51年生まれです。
サッポロビール設立の100年後、アドビ設立と同い年、不名誉ですがW杯で注目の南アでアパルトヘイトが始まった年(すべてウラ覚えですので間 違ってても悪しからず)に生まれました。

ヒップホップにハマッタきっかけは高3の終わりくらい、きっかけはSlick Rick の Sittin' In My Car でした。


高1だったか高2だったか、仲良くなった友人が、当時はまだマニアックだったテクノファンだった影響で、僕 はターンテーブルを買う前にシン セを手にいれ、ディスクジャックより先にトラックを作っていました。

そんなせいか、当たり前のように参加していた高校生パーティーのヒップホップやハードコアの喧騒を、勝手にやってなミーハーども、などと 思ってお り、ヒップホップの本当の良さを知るまでに少々の遠回りをしました。


そして足を突っ込んだヒップホップ。

当時はDJが流行り始め、とりあえず入門はダンサー、ラッパーはまだまだ少なかった頃で・・・

あー、昔話が長くなりそうなので、この辺で本題を。



最近、周辺の知人の影響で、オーディオ機器に興味(特に曲の製作環境)が出始め、それも音楽やっ てるヤツなら当たり前だろ?って程度なのですが、


なにしろ僕は、1億円のバイオリンを持っていようが安物のギターだろうが、良い曲を作るヤツは手元にある もので宝物を作ってしまうんだ、

というような変に男らしく、変にロマンチックなところがあったので、
というか音作りしてるくせに非常に大雑把な人間で、オーディオ等にはすごく無頓着だったのですが、
覚えてしまうともう駄目ですね、

例えば今まで意識していなかった要素に興味がいくようになってしまって、

齢33、今年34になる身で今更ながら音楽家たちの奥深さ、逆に底の浅さを知りました。


僕らの世代はヒップホップではオールドスクールが終わりニュースクールに入ったところ、

そんなせいかネクストスクールと分けられる今風のヒップホップにはほとんど興味が無いのですが、Swizz Beatzのオリジナルには心底からの敬意を惜しみません。

ネクストスクールといって是か否か定かでないですが、
その辺の過渡期にティンバーランドという個性が出てきて、
それと呼応するかのように圧倒的なスキルを持ったミッシーエリオット(しかもフィメールというインパクト)が出てきて黄金比のような絡みをしまし た。


そんな感じで次の段階が始まった予感もあったのですが、僕としてはそこまでの感慨はなく、そのちょとした 後でしょうか、

DMXという猛烈な個性のラッパーが業界を席巻し、
彼が主催するラフライダーに所属していたのがタイトルにあげたSwizz Beatzでした。

当時は、確かに良いトラックメーカーだなぁ、と思っていたのですが、

DMXの存在の前に少々影が薄く、しかも僕の耳もまだまだでしたので、いま僕が感じているような彼の凄さには気が つきませんでした、というより当 時は、現在の彼のオリジナル創造前夜だったのだと思います。

あー、長くなりすぎたのでマトメます。


Swizz Beatzの個性は、声・ラップというか1フレーズとシンプルな音で最高にノれるトラックを完成させてしまうあたりです。

これが簡単なようで、それまでのトラックメイクになかったし、DJの音作りでもなく、MC兼トラックメーカーが作 る音でもないのです。

そこで最近オーディオを覚えて気がついたのですが、Swizz Beatzの根幹にはビョークと通じるところがあるのではないかと。


ビョークといえば独特の声質、あの声でしか表現できない音感と旋律を最初に思い浮かべてしまいがちです。

しかし僕は思うのです。、
良いアンプ・オーディオを通せばはっきり理解できるのですが、彼女の凄さ、
それはヴォーカルという主張よりもむしろメロディーとの一体化にこそ誰にも真似できない特質があるのではないのかと。

(このトラックはティンバーランドだったかな)

他のボーカル(特に日本人の歌手)と聴き比べてみればすぐに分かります。

特に録音(ミックス)を意識してみれば一目(聴)瞭然なのですが、
他ボーカルの録音はビョークと比べて高ボリュームということに気がつくはずです。
これは、あえて言えばボリュームを上げることでトラックとのバランス(不協和をごまかしている)をとっているのでしょう。

当然、デビューする実力のあるタレントたちですから素晴らしい声の持ち主ばかりなのです。

しかし、それくらい、誰にも真似できないような世界最高の歌い手がビョークということなのです。

なんだかまだまだ長くなりそうなので後は強引に端折ります。


Swizz Beatz、彼のトラックもまた声を見事に加工し、他のメロディーと一体化させる、

当然どこまでいってもヒップホップ調なのですが、
それはビョークの声がまるで1つの曲のメロディーとして調和するのと同じような、
そんな才能に尊敬を抱くのです。

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